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品田遊(しなだ・ゆう)

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名称未設定ファイル_06 最後の一日_後編

2016.09.30 更新

「フランシスコ・ザビエルbot」は寿也のサブアカウントだ。フォロワー数は9219人。宣教師フランシスコ・ザビエルになりきったツイートをする。

 フランシスコ・ザビエルbot@f_zabieru_bot
 日本人。。。。スイカ大好き。。。。でも。。。。日本人。。。。スイカ棒で殴る。。。。ドウイウコト。。。。
 
 母が一口サイズに切ったスイカを爪楊枝で食べながら、寿也は「スイカ」をテーマにしたツイートを送信した。botと言っても手動アカウントであり、寿也の気まぐれで書いた日本文化いじりネタは一部Twitterユーザーにちょっとした名物のように扱われている。
 何度もリロードするたびに「RT」と「♡」が増えていく。ものの5分でザビエルbotのツイートは100RT、210お気に入りを超えた。寿也は次に検索ワード「ザビエルbot」でエゴサーチを開始する。
 
 ザビエルbotwwwwwwwww
 ザビエルbot、ひっさしぶりに見た。
 なにこのザビエルbotとかいうの草なんだけど
 
 寿也を承認するツイートを丁寧に拾い上げていく。フォロワーが13人増えていた。
「…ざわのスイカだから、甘かったでしょ」
 美都子の呼びかけに意識が向くまで時間がかかり、寿也は前半を聞き逃した。
「え?」
「尾花沢、山形の。甘いでしょ。このへんのじゃないの」
「うん、美味かった」
 美都子は薄紅色の汁溜まりが残った大皿を台所へ運ぶ。寿也がスマートフォンで時刻を見ると、まだ午後3時前だった。東京では足早に過ぎていく時間が群馬ではひどくのろのろ流れているように感じられた。
「ああそうそう、夜にノリフジ伯父さん来るって」
 皿を洗う美都子の背中が言う。
「ええ、なんで」
「トシが来たからに決まってんでしょぉ」
 金井憲藤は寿也の伯父で、美都子の兄だ。実家から15キロ離れたところでブドウ農園を営んでいる。
「ブドウ、持ってきてくれるって」
「あ、そう」
 寿也は子供の頃からそのブドウを何度も食べている。憲藤が作ったブドウは粒が小さく酸味が強いのが特徴だった。振る舞われれば美味しいと一応言うものの、寿也には酸っぱすぎてあまり好きではなかった。しかし美味しいと言ったため、毎年大量に貰い続けている。
 寿也はスマートフォンを握って椅子から立ち上がった。
「部屋戻るならついでに掃除してよね。何でもかんでもずっとそのままなんだから。あ、そこのリュック自分の部屋持っていきなさいよ」
 寿也はリュックを掴んで無言で自室へ消えた。彼は小言が付属した言葉には返事をしない。

 自室には不快な熱気が溜まっていた。寿也はエアコンのスイッチを入れてベッドに横たわった。
「あー」
 ため息をついて無意味に声を出す。移動中はほとんど座っていただけだが、長距離の移動のあとは虚脱感で動きたくなくなる。強く目を瞑り、開く。90度傾いた視界で眺める自室はまるで他人の部屋のように映った。
 小学校入学と同時に買ってもらった勉強机の棚には、高校の教科書や受験参考書が並んでいる。3年前から時が止まった空間で、寿也は美都子の顔を思い出していた。久しぶりに会った母親は彼の記憶よりもだいぶ老けこんで見えた。
 感慨が何がしかの言葉を作る前に寿也はスマートフォンを手にとった。
 
 なむじぃ@_nam_nam_
 だる
 
 寿也の「だる」という一言に、フォロワーからぽつぽつと「♡」のお気に入りがつく。
 あおむけに寝転がったまま『セイレーンタクティクス』を遊ぶ。指が覚えている動きを何度も繰り返すうちに、寿也はここが実家であることを忘れそうになる。
 突然、ゲーム画面がフェードアウトした。
 同時にやかましいベルアラームが鳴り響き、画面上に「バイト」と表示される。アルバイト先のスーパーマーケットのチーフからの電話だった。
 ジリリリリ。ジリリリリ。ジリリリリ。大音量の電子音がけたたましく騒ぐ。ベル音とベル音を繋ぐ無音になるたびに寿也はそのまま切れてくれと願う。しかし、ベルはまるで寿也がベッド上で息を潜めていることを見透かしているかのように鳴り続けた。
 寿也はベッドから体を起こした。記憶の中からバイト中の自分を探し当て、やっと「通話」ボタンをタッチする。
「はい。もしもし、久内です」
「久内くん? 柏木ですー」
「はい」
 中年男のかすれた声。寿也はチーフの丸眼鏡とまだらに生えた白髪を頭に浮かべた。
「お休み中ごめんね。あのね、ちょっと聞きたいことがあるんだけど。久内くん昨日2番倉庫に入ってたでしょ。あそこの鍵がね、ちょっと見当たらないんだよね」
「はあ」
「まああの、スペアもあるからそんなにアレではないし、入ってるのもダンボールとかだからアレなんだけども、まああの一応ね、心当たりがあったら連絡お願いしますと、そういうことなんだけども、知らない?」
「鍵ですか。いや。知らー、ないですね」
「あ、そう。じゃ、すいませんね。来週もよろしく」
 電話が切れ、画面は『セイレーンタクティクス』の戦闘画面に戻った。しかし寿也はすぐに端末をベッドの上に放り出し、リュックサックの底を漁った。案の定、小さな金属製のものが指先に触れた。2番倉庫の鍵だった。
「あー、やばい」
 再びベッドの上に転がり倒れる。バイトの終わり、2番倉庫の施錠に使った鍵を棚に戻すのをすっかり忘れてリュックにしまっていたのだ。
 次のバイトの日に謝ろうか。
 無理だ、と寿也は即座に考えを打ち消した。
 さっき「知らない」と言ったことが寿也にその行動を踏みとどまらせていた。あとになってから実は自分でしたと告白したら、チーフにどう思われるだろう? 脅迫的な不安が胸のあたりを締め付けた。
 別にどうも思われないであろうことも寿也には分かっていた。チーフはそれほど従業員に厳しいタイプではない。むしろ優しすぎるからもっとしっかりしてほしいとパートの主婦によく突つかれるような人だ。しかし、彼に鍵のことを言い出す気には全くなれなかった。寿也は枕をぎゅっと抱きしめ「あー」や「もー」といった無意味な声を何度も小さく漏らした。
 葛藤はすぐに終わり、寿也は結論を出した。
 さりげなく事務所の机に置いておけばいい。
 どうせスペアもあるのだ。チーフも言っていたではないか、たいした問題ではないと。
 寿也は倉庫の鍵をリュックにしまってTwitterを開く。
 
 さっき
 
 ここまで打ち込んで、フリック入力する親指が止まる。一連の出来事についてTwitterに何を書けばいいのか、寿也にはわからなくなった。手癖で打った「さっき」という3文字だけが宙ぶらりんになり、視線が無為に画面周辺を泳ぐ。
 およそ4秒間の逡巡の後、入力しかけのツイートを削除した。
 そして寿也は、自分でツイートする代わりに他人のツイートに目を通し始めた。

・迷い犬の捜索を要請する【拡散希望】ツイート
・単位を落としそうな大学生が書いた感嘆符の羅列
・上映されているアニメ映画がなぜヒットしたかを考察するブログ記事へのリンク
・「#コピーしてる文章をペーストしろ」というハッシュタグに便乗したツイート
・Twitter上で毎日掲載される1ページ漫画

 寿也のタイムライン上に直接的な知人はいない。見知らぬ誰かが入力した小さな意味の群れを次々と飲み込んでいくうち、沸き起こった思いを言葉にまとめようとする欲求はなだめられる。10分後には、寿也の心理状態はチーフから電話がかかってくる前と同様の平静さを取り戻していた。
「掃除!」
 大声に驚いて画面から目を逸らすと、目の前に苛立った美都子がいた。床に積み上がった本や空き箱の山を指して言う。
「いつまでこれこのまんまにしておくの。放っといたら勝手に捨てるからね」
「いま片付けるよ」
 ほんとに言われるまでやらないんだから、もう、と言ってリビングに戻る美都子を尻目に寿也は部屋の掃除を始める。しかし本気で片付けるつもりはなく、形だけでも掃除をしたアリバイさえ作れればよいという考えだった。散らばった漫画本や教科書を緩慢な動きで棚に押し込んでいく。この対処が十年以上繰り返されたことにより、寿也の部屋にあるものは全くとりとめなく部屋中に点在していた。
 中学2年生のときに買った漫画の上に高校1年生の秋に買った課題図書が重ねられて、さらにその上に受験生向けの中学英語参考書が乗っている。久内寿也という人間が経験してきたものごとが無秩序に積み重なって、あちこちで層を形成している。
 寿也はすぐ掃除に飽きた。ふと手に取った中学卒業アルバムを逃避的にめくると、そこはちょうど寿也が卒業に寄せて書いた作文のページだった。
 
 私は、この中学3年間で、特に何も得た物が有りませんでした。何故かと言えば、学校の授業で教えられる事など、単なる知識、つまり暗記科目に過ぎない為です。本当に大切な事は教科書に載って無いのです。しかし、人間はいずれ死にます。従って、より精確に述べるならば、それすらも無意味と言わざるを得ません。ですから、学校の卒業も何ら喜ばしい事態では無いと言えるでしょう。
 
 寿也はそこまで読んでアルバムを閉じた。当時の寿也は、卒業アルバムのような場にわざと相応しくない内容の文章を書くことが面白いと信じてこのような作文を書いていた。読んで面白がってくれる友達はいなかった。あえての漢字表記やもってまわった言い回しを多用した文章は、寿也にとって消去してしまいたい歴史として心に痕を残している。
 寿也はすかさずTwitterを開いた。
 
 フランシスコ・ザビエルbot@f_zabieru_bot
 日本の中学生。。。。。「なぜ」をわざわざ「何故」って書きがち。。。。。。。。何故なの。。。。。
 
 過去の愚行を「ザビエルbot」でネタに昇華する。毎秒お気に入りされていくそのツイートを眺めながら寿也はホッと溜め息を吐いた。
 部屋掃除は捗らなかった。

 ベッドで横になっているうちに眠っていた。
 寿也は浅い夢を見た。それは断片的な記憶だった。瞼の裏に美都子の顔、田園風景、スーパーのバックヤード、ゲーム画面。花火などの映像が、高速で切り替わるスライドショーのように絶え間なく投影されていく。寿也は朦朧とした頭でそれらをただ眺めている。
「トシー」
 小さい頃に行ったどこかの海。もう捨てたぬいぐるみ。先週見た深夜番組。
「トシ」
 大学棟へ続く煉瓦造りの階段。トンネル。自動車の振動。
「トシ、寝てんじゃないの」
 聞き慣れた声が大きく響き、寿也は午睡から現実へと引き戻された。目を開くと、ドアの隙間から頭だけ出した美都子が寿也を見ていた。
「竣くん来たよ」
「ん……?」
 寝惚けた頭には言葉の意味が分からない。
「倉本さんとこの竣くんよぉ。いま家の前にいるから、挨拶しなさいよ」

「あら上がっていけばいいのに」
「いえ、すぐに出かけちゃうので立ち話で」
 玄関先に立つ倉本竣は、以前の面影を目元に残して年相応の青年に成長していた。美都子は竣の全身を眺め回し「ほんとにもう大きくなって」と言って家の中に戻った。
「久しぶり」
 なんと声をかけるべきか迷った寿也は無難な言葉を選ぶ。
 小学生の頃、一つ年下の竣は寿也にとって弟分のような存在だった。家に招いてゲームをしたり、一冊の自由帳を使い切るまで落書きをしたりして遊んでいた。寿也が中学に入学すると徐々に二人は疎遠になり、やがて全く顔を合わせなくなった。最後に竣に会ったのは5年前の正月だ。
「うわ、しゃあちゃん懐かしいー! 久しぶり!」
 竣は目を細めて寿也に笑顔を向けた。「しゃあちゃん」というのは寿也が小学生だったときのあだ名だ。今になってその名で呼ばれると全身がむず痒くなった。寿也はぎこちない笑みを返しつつ「久しぶり」の次に発するべき言葉を探す。竣に対する態度がどのようなものだったかもはや思い出せないので、気安い仲を演出するための言葉をどうにかひねり出した。
「背、伸びたな」
「うん。もう俺のほうが高くなっちゃったね」
 竣の身長は180cmを超えていて、寿也は中学3年生から163cmのままだった。当時は寿也のほうが見下ろしていたのに、5年のうちに逆転していた。モテるだろうな、と寿也は思った。竣の半袖シャツからは日に焼けた筋肉質な腕が伸びている。きっと運動部だ。
「しゃあちゃんは今どこ住んでんの」
「東京、で。一人暮らし」
「マジ? 俺は神奈川で一人暮らし。家賃安いけど、周りなんもなくてすげえ最悪でさあ」
 まるで昨日まで二人が小学生だったかのように、竣は自らの近況をジェスチャーを交えて話す。ポンポンと弾む言葉を投げかけられるたびに、寿也は気分が萎えていくのを感じた。
「あ、そうそう。俺、明日からドイツ行くんだ」
「ドイツ、ヨーロッパのか」
 間抜けなことを言ったな、と寿也は自分の発言を悔いた。
「うん。大学のカリキュラムでさ。2週間ホームステイすると半年分の語学単位になるんだってさ」
「2週間も。ダルいな」
「そう? 結構楽しみなんだよね俺。だって海外だよ海外」
 竣はショルダーバッグから長方形の旅行パンフレットを取り出す。表紙は古城の写真だ。
「ノイシュヴァンシュタイン城。ホームステイ中に見に行く予定なんだ。俺、建築的なのに興味あって。卒業したらそれ系のとこで働きたいと思ってんだ」
「すごいな」
 すごい。寿也の心に生じた素直な感情だった。竣は、すごい。
「だから日本生活最後の日に実家戻ってたんだよ。そしたらしゃあちゃんがいるって母さんに聞いたから」
「うん。明日帰るけど」
「そっちはどう?」
「いやあ」
 ゲームでSレアのカードがなかなか出なくてさ、作ったbotのフォロワーがいっぱいいてさ、バイト先の倉庫の鍵持ってきちゃってさ……。寿也が何を言ったところで、何も言わないほうがマシに思えた。
「まあ、いろいろあるよ」
 探り合うような間が数秒続いた後、竣が口を開いた。
「じゃあ俺、そろそろヤバいから戻るわ。また時間できたら遊ぼうな」
「うん。じゃあ」
 自転車を立ち漕ぎする竣が角を曲がって見えなくなったのを見届けてから、寿也はドアを開け自室に戻った。

 午後7時過ぎ、伯父の憲藤が訪ねてきた。
「おうトシ、久しぶり」
 去年と変わらず褐色の団子鼻が油光りしている。
「ほれ、お土産」
 新聞紙でくるんだブドウを手渡す。寿也が無言で受け取ると、憲藤は顔色を変えた。
「トシお前、ありがとうぐらい言えねえんかよ」
「……ありがとうございます」
 夕食を同席することになっても、憲藤は寿也の態度に駄目出しを続けた。
「お前もう大学生だろ。社会人やっていけないぞ、そんなんじゃ」
 美都子がビール片手に笑って同調する。
「もう、ほんとよね。いつまでたっても子供気分で」
「今の子はみんなそうだからな。ほれ、アレだろ。みんな手元のケイタイで全部やっちゃうだろ。あれが良くねえよな」
 憲藤は人差し指を寿也に向けて上下に振った。スマートフォンをいじる動作を誇張したジェスチャーだ。憲藤自身は折りたたみ式の携帯電話しか持っていない。
「ほんと、そうなのよぉ。いっつもあれよ。ゲームみたいなのばっかりやって」
「そんなんでお前、勉強はどうなんだ?」
 寿也は味噌汁を啜って曖昧に答える。
「まあ、やってるよ」
「その『まあ』ってのが現代の子供だよなあ。全部曖昧に済ませようとするだろ。俺がトシくらいの頃は違ったよ。いつ死んでもいい覚悟で手当たり次第チャレンジした」
 俺がハタチくらいの頃は本気で政治家を目指していた、田中角栄に会ったこともあるんだ、という聞き飽きた話を寿也は右から左へ聞き流す。
「ごちそうさま」
 空いた食器をそのまま残して、寿也は早々に隣の自室に戻った。
 薄暗いベッドの上で『セイレーンタクティクス』のガチャを回す。何枚も持っている「歌姫イオナ」のカードが再び出てきた。
 
 なむじぃ@_nam_nam_
 またイオナ。マジで死んでくれ。今日マジで散々すぎ。終わってる。
 
 横になってじっとしていると、アルコールでいい気分になった憲藤と美都子の会話が壁越しに小さく聴こえてくる。
「……しかし、一人息子があれじゃあ、心配だわな。和孝くんもいないのに」
「まあねえ、トシって何考えてるか分からないとこあるでしょ……」
「同じ男だから分かるけどさ、ありゃ何も考えちゃねえさ……引っ込み思案なだけで……」

 なむじぃ@_nam_nam_
 イラつく。

「お前は甘やかしすぎなんだ。ケイタイだって取り上げたほうがいい……」
「でももう大学生だし……」
「放ったらかしてるとどんどんバカになるぞ……」

 なむじぃ@_nam_nam_
 なんなんだよ。

「脳がバカになるんだよ。なんでもかんでもケイタイだと……」
「ちょっと飲み過ぎじゃない……」
「失敗だよ、あれは……」
 
 寿也はスマートフォンを思い切り布団に投げつけた。ぼふ、という音を立てて布の上に沈みこむ。財布と自転車の鍵を手に取って、部屋を出た。直後にフォロワーの「まそ」から「なんかあったん???」というリプライがついたことに寿也は気付かなかった。
 玄関ドアが開く音を聞いて美都子がダイニングから顔を出す。
「あら、どっか行くの?」
「角の自販機。喉乾いたから」
「ジュースなら冷蔵庫に」
「買いたいのあるから」
 そのまま乱暴に玄関ドアを閉めた。
 寿也が一年ぶりにまたがった実家の自転車は、サドル位置が微妙に低くなっていた。ペダルを漕ぎ出すと真夏の生ぬるい空気が寿也の体を撫でた。
 田んぼに挟まれた夜道を走る。
 誰もいない真っすぐな道をひたすらに進む。
 もっと速く。速く。
 走るほど、何かわからないものに追いつかれそうな気がした。
 立ち漕ぎする。背後から何かが距離を詰めてきている。
 速く逃げないと、殺される。
 逃げろ。
 寿也はペダルを思い切り踏み込んだ。

(了)

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著者プロフィール

品田遊(しなだ・ゆう)

東京都出身。
人気サイト「オモコロ」を運営する株式会社バーグハンバーグバーグに勤める会社員であり、
Twitterフォロワー数67,000を超えるスタープレイヤー。
小説デビューの作品『止まりだしたら走らない』(リトルモア)が各所で話題になる。
別名義ダ・ヴィンチ・恐山での著作として『くーろんず』等がある。

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