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科学で毎日を楽しくしませんか?

岩谷圭介(いわや・けいすけ)

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宇宙人はいるの?

2017.11.20 更新

人類は遠い昔から空を眺めてきました。様々な想いを馳せ、星座を作り物語を作り、語り継いできました。夜空に輝く星々、最近では街灯りが明るくなってあまり見えなくなりましたが、山奥に行くと宝石箱をひっくり返したような星の海を見ることができます。肉眼で確認できる星の数は約5,000個と言われています。しかし、人間の目で見ることができない星はそれ以上、遥かにたくさんあるのです。宇宙には私たちの想像を大きく超える、膨大な数の星が存在しています。
無限に近い宇宙で、生き物がいるのは地球だけなのでしょうか。そして、文明を築いたのは私たちだけなのでしょうか。この疑問は、誰しも一度は考えたことがあるのではないでしょうか。「宇宙には、地球の他に生物は存在するのか、宇宙人は存在するのか」。今回はそんなお話をしてみたいと思います。
宇宙人はいるのか。よく幽霊と同列に語られていると思います。幽霊の話題はシリアスになるのに、宇宙人となると途端に胡散臭く冗談めいてくるのはなぜでしょう。宇宙人にまつわる話題というと、タコ型生物やミステリーサークル、円盤形のUFO、人類の誘拐やすでに支配しているという陰謀説すらあります。どれも根拠不明のものばかりですから、このあたりはオカルトライター に任せることにしましょう。ここではサイエンスの視点から考えます。

まず初めに、私たちが閲覧可能な論文やデータで、宇宙人や宇宙生命体を観測したという記録や、接触を果たしたという事実は報告されていません。といっても「なんだ、いないじゃないか」と考えるのは早計なのです。
今から55年ほど前のことです。科学者たちの間で宇宙人はいるのか、宇宙に文明はあるのかという議論が巻き起こりました。そこで、アメリカの天文学者フランク・ドレイクさんが、私たちの住む天の川銀河(銀河系)に一体どのくらいの文明があるのか見積もる式を考案したのです。ドレイク方程式といいます。
私たち人類と同等かそれ以上の科学力を持つ文明が銀河系にいくつあるか、ドレイク方程式で彼が導き出した答えは1,000から100,000,000でした。見積もりとはいえ、ずいぶん存在していると思いませんか。
こんなにたくさんの文明が夜空の星々に存在しているとしたら、いつか見つけることができるかもしれません。ですから、科学者たちは大きなアンテナを宇宙に向け、宇宙人からのメッセージや、存在の兆候を探し続けてきました。これまで何度か、自然現象ではとても説明がつかない不可解な信号を受信することもありました。まだ確定的な証拠をつかんだわけではないのですが、見つかるのは時間の問題かもしれません。

現在では55年前よりもたくさんのことがわかってきました。太陽系のすぐ近くにも地球に似た惑星をどんどん見つけています。それら研究によって、銀河系に存在する宇宙文明の数も、より正確に見積もることができるようになってきたのです。
最新の研究データを元に計算すると、銀河系に存在する文明数は、13,000個であろうと考えられています(諸説あり)。仮に文明を銀河系内に均等にちりばめたとすると、お互いの距離は8,000兆kmほど。これは光の速さで飛んだとしても800年かかる距離です。途方もなく遠いですね。これほどの距離ですから、宇宙文明とはなかなか巡り合えないかもしれません。

ちなみにあまり知られていませんが、ドレイク方程式で生命を持つ星(知的生物まで進化していないが生命が存在する惑星の数)も求めることができます。最近のデータを元に、銀河系にある生命を持つ惑星数を見積もると、その数300億個。銀河系の恒星の数は2,000億個程度ですから、これはとてつもない数です。約15%の恒星系には生命が存在しているだろうという見積もりです。つまり太陽系のすぐ隣の恒星系にも生命がいてもおかしくないというのです。もしかすると、太陽系の中でも見つかってしまうかもしれません。
宇宙には2兆個の銀河 があります。私たちの住む銀河系ですら300億の生命が存在する星があるとすると、宇宙全体では単純計算で、2兆×300億=60,000,000,000,000,000,000,000個の惑星に生命がいることになります。実は宇宙は生命体で溢れているのかもしれません。
もちろんこの数字はあくまで見積もりです。不確定な部分が多いため、この数字が数桁変わることはあるかもしれません。

宇宙人はいるのか。その答えは、実際に見てきたわけでもありませんし、連れてくることもできないので、確定的に言えないのがもどかしいところですが、現在の科学では当然いるという前提で考えられています。
地球だけが宇宙で唯一の特別な存在ではなく、夜空の星々には生命が溢れていると想像を巡らせるのも素敵ではありませんか。宇宙の向こうでは、宇宙人たちもまた私たちと同じように夜空を眺め、宇宙への想いを馳せていることでしょう。

※言葉の整理「天の川銀河」「銀河」「銀河系」
私たちの地球は銀河の一員です。地球の所属する銀河を、銀河系と呼びます。夜空を眺めて見える天の川、これこそが銀河系です。そのため、銀河系のことを天の川銀河と呼びます。
宇宙にはたくさんの銀河があります。銀河系も銀河の一つなのです。

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著者プロフィール

岩谷圭介(いわや・けいすけ)

民間初の日本国内における上空30kmの撮影に成功。その後も開発を進め日本一の打上げ回数・成功率・世界最高高度記録を樹立。世界最高水準の技術を確立する。国内様々なTV・新聞・雑誌に取り上げられCMや広告にも起用されている。 技術は独力により開発。始まりは大学4年の夏休み、海外のニュースサイトで見た1枚の写真だった。 個人レベルの資金と身の回りの素材を使って切り開いた宇宙開発『ふうせん宇宙撮影』を通じて宇宙を身近に感じてもらうこと、挑戦する気持ちを広げていくために活動している。著書に『宇宙を撮りたい、風船で。 世界一小さい僕の宇宙開発』がある。

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