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科学で毎日を楽しくしませんか?

岩谷圭介(いわや・けいすけ)

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第16回 楽して健康に痩せるには

2017.03.13 更新

今回のテーマは、「痩せる」です。
痩せたいという願望を持つ人は多いものです。しかし、なかなか痩せられないからこそ悩むもの。今回は、科学的な観点から苦労せずに痩せる方法をお話ししましょう。今回お話しする方法は、お金もかかりませんし、筋肉が落ちるわけでもないのでリバウンドの心配がありません。外科手術的な乱暴な方法でもなく、自然な方法の提案です。痩せたいという方にきっと参考になるはずです。

■脂肪とはなにか
「痩せたい」とはつまり「体の脂肪を落としたい」という欲求です。まず、問題の本質である「脂肪」が何ものであるかを知れば、どうすれば減らせるかもわかってきます。
脂肪は、命の次くらいに大事な人体の組織です。
脂肪は食事から摂取したエネルギーを体の中に蓄えておく貯蔵庫です。人類は文明化するまで自然界で暮らしていましたが、そこでは食事にありつけないこともありました。だからこそ、食べられるときに食べて、脂肪として体の中にエネルギーを蓄える仕組みができあがったのです。飢えた時には蓄えた脂肪を分解することで生き延びることができたのです。だからこそ、脂肪は命の次くらいに大事だと言えるのです。

■どうして脂肪は増えるのか
このように、脂肪は生きるためにとても大切な組織です。だからこそ、体は脂肪を増やそうとします。現代人にとっては余計なお世話なのですが、生きるために備わった機能なので仕方ありません。
人間が生きるためにはエネルギーが必要で、成人女性でおおよそ一日1800キロカロリー、成人男性でおおよそ一日2000キロカロリーを摂取する必要があります。これ以上摂取したときに、体の中で脂肪として蓄えられるのです。要するに、必要以上に食べれば脂肪が増えるのです。必要な分しか食べなければ脂肪は増えない、つまり太らないのです。

■運動やダイエットで痩せにくい理由
大事な脂肪は、そうそう簡単には落ちてくれません。
例えば、1時間ジョギングしても430キロカロリー程度しか消費されません。運動は思っているよりもエネルギーを消費しないのです。脂肪は、1キログラムに7000キロカロリーものエネルギーが詰まっています。ジョギングで10キログラム減量しようと思ったら、162時間頑張らなくてはなりません。これは毎日1時間ずつ、半年間欠かさず続けてようやく達成できる時間です。かなりストイックでなくては難しいかもしれません。
一般的に行われている痩せる方法は、「ダイエット」という名の食事制限です。これは一日当たりに必要なカロリーよりも少ない食事量を摂取することで、脂肪を分解させようという手法です。食べなければ脂肪は減っていきますから、確かに痩せることは間違いありません。
しかし、食事制限には問題があります。なぜなら、人間の体は飢えたときに、脂肪より優先して筋肉を分解するようにできているからです。筋肉は、命を維持するのに脂肪よりも大切なものではないのです。エネルギーを消費する筋肉が減れば、エネルギー源である脂肪の消費量は少なくなります。燃費が良くなり、飢えに強くなり、自然界で生き延びやすくなるのです。現代人にとってはやはり余計なお世話ですが、本当に人体はよくできていますね。
さて、低燃費に変わった体は、ちょっと食べるだけですぐ太るようになっています。つまりリバウンドです。これが食事制限の問題点なのです。栄養状態も偏りがちになり、体を壊したりするので、あまりよい痩せ方ではありません。
では、脂肪の持つ1キログラムあたり7000キロカロリーという大きなエネルギーを、どうすれば苦労せず、健康を害さず消費することができるでしょうか。

■命の維持に着目すると見えてくる
脂肪の目的は命の維持です。脂肪ばかりにとらわれていると気付けないことも、命の維持に着目すると、痩せる方法が見えてきます。
人間の平熱は36度程度です。この体温が命を維持するためには必要なのです。もし熱を奪われて体温が低下すれば、生命維持に支障をきたします。ですので、体は食べ物から摂取したカロリーを消費して一生懸命熱を作ります。それでも足りない場合には、体の中に蓄えていた脂肪を燃焼して熱を作ります。命の維持のため大切にとっていた脂肪すら使わなくてはならないほど、体温の維持というのは生命維持のために大切なことなのです。
あまりダイエットの世界では注目されていませんが、人間は生きているだけで相当な熱エネルギーを放っています。これを上手く利用すれば、とても簡単に痩せることができます。

「熱」に注目して原理を説明しましょう。大原則として、熱は必ず高いところから低いところへ移動します。人間の体温は真夏の非常に暑い時期を除けば外気や地面よりも温かいです。人間は常時熱を作り出していますが、この熱の性質により、肌や呼吸を通して空気中へ、そして足の裏を通して地面へと熱を放出しています。
体温維持のために消費されるカロリーは、気温が体温より低ければ低いほど多くなります。例えば、南極では1日当たり7000キロカロリー以上消費されます。毎日7000キロカロリーもの食事をとるのですが、それでも痩せるそうです。一日ただ生活しているだけで、16時間ジョギングしたよりも多くのカロリーを消費するのです。南極は現実的ではありませんが、日本の北海道でも、冬場ずっと外にいれば消費するカロリーは4000キロカロリーを超えます。

■楽して健康的に痩せるには
楽して簡単に、健康的に痩せるためには、早い話、寒いところでたくさん震えていればよいのです。暖かい部屋でぬくぬくしていてはダメです。あなたの体が作る熱を、ストーブやこたつが代わりに作ってくれますから、体がエネルギー消費をしてくれません。寒いところ、涼しいところで強制的にエネルギーを消費しましょう。設定温度を数度落とすだけでも変わってきます。
寒さに体をさらすと皮下脂肪が増えて、かえって太るという説がありますが、これは誤りです。脂肪はエネルギーを蓄えるための組織ですから、余分に食べない限り増えることはありません。必要な分だけのカロリーを摂取していれば、太ることはないのです。
北海道や南極でなくとも、少しだけ薄着をするなど、体に多くの熱を作らせるような服装を選べば、ジョギング数時間に相当するカロリーを消費します。代謝も上がりますから、かえって健康になりますよ。冬はもう終わってしまいますが、これから春先にもチャレンジできそうな痩せる方法のご提案です。
ほんの少しの薄着で、楽して健康に痩せることができるのです。

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著者プロフィール

岩谷圭介(いわや・けいすけ)

民間初の日本国内における上空30kmの撮影に成功。その後も開発を進め日本一の打上げ回数・成功率・世界最高高度記録を樹立。世界最高水準の技術を確立する。国内様々なTV・新聞・雑誌に取り上げられCMや広告にも起用されている。 技術は独力により開発。始まりは大学4年の夏休み、海外のニュースサイトで見た1枚の写真だった。 個人レベルの資金と身の回りの素材を使って切り開いた宇宙開発『ふうせん宇宙撮影』を通じて宇宙を身近に感じてもらうこと、挑戦する気持ちを広げていくために活動している。著書に『宇宙を撮りたい、風船で。 世界一小さい僕の宇宙開発』がある。

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