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科学で毎日を楽しくしませんか?

岩谷圭介(いわや・けいすけ)

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第1回 どうして春夏秋冬があるの?

2016.05.12 更新

長らく『手を伸ばせば届く宇宙の話』という連載を執筆させていただきました。これまで読んでくださっていた方、そして新しく興味を持って読みにきてくださっている方、みなさまに大変感謝です。

私は風船を使った宇宙開発をしています。とても大きな風船にカメラなどの撮影機材装置をつけて空に放ち、地球と宇宙の間の成層圏というところを撮影したり、さまざまな実験をおこなっています。
風船は空に放つと、上空3万メートルより高い高度まで上昇していきます。3万メートルがどのくらいの高さかというと、飛行機の高度が1万メートルほどですから、飛行機よりすこし高いくらいでしょうか。そこは空気がほとんどなく、宇宙と変わらない景色が広がっています。昼間でも真っ黒な世界。宇宙、青い地球、地球と宇宙の境界線を見ることができます。
飛行機よりすこし高く、風船というなじみ深いものを使って見ることができるほど、私にとって宇宙はとても身近な存在なのです。

宇宙は、私たちの生活と直接的に関係のないものだと思ってしまいますよね。けれどもよく考えてみると、私たちの生活は宇宙と密接な関係にあります。
そこで、これまではおもに宇宙にまつわることを解説してきましたが、宇宙もふくめ、もっと私たちの身近にある「科学」のことをお話する連載にリニューアルいたしました。
科学というメガネを通してみると、何気ない日常のとるに足らない小さな出来事が、実はとてもおもしろいのだと感じていただけるのではないかと思います。

さて、すっかり春になり、とても気持ちのいい毎日ですね。冬は厳しい寒さが延々と続き、毎日本当にうんざりしていましたが、春はぽかぽかした気温が何とも優しいです。空気があまりにも気持ちいいので、ついつい朝寝坊をしてしまいます。春眠暁を覚えず、とはまさにこのことですね。
日差しは冬の弱々しい光から強くなり、肌で感じて暖かくなりました。この太陽光の強さの違いが、春夏秋冬を作りだしています。
太陽光の違いをもっとも意識する季節は、夏ではないでしょうか。夏の太陽は、ギラギラした強烈な光を放ちます。
どうして太陽の光は季節によって変わってくるのでしょう? ちょっと実験をしながら考えてみましょう。
太陽や地球を移動させることはできませんが、そんなことをしなくても、身近なものを利用して実験できてしまいます。使うものは、どこの家庭にもある懐中電灯だけです(懐中電灯の光は弱いので、日の光が入らない場所で実験しましょう)。

まず懐中電灯を点けて、低い位置から斜めに床を照らしてみましょう。すると床に当たっている光は楕円型になります。広い範囲を照らしているので、光はそれほど明るくならず、薄ぼんやりと光ります。

image01

これが、冬の太陽です。冬の太陽は、夏に比べて低い位置に出ていますよね。上の実験と同じく、低い位置から太陽が地面を照らすので、光が弱くなっているのです。光が弱いと、地面に届く太陽のエネルギーも低くなるので、冬は寒くなります。

今度は、夏の太陽を再現してみましょう。懐中電灯を高い位置から真下に向けてみます。
すると、光は円になって、低い位置から斜めに当てた時に比べて狭い範囲を照らします。同じ強さの光がより狭い範囲に集中するので、床はとても明るく照らされます。

image02

夏の太陽は、冬よりも高い位置に上がっていますよね。高い位置から照らすと、光は明るくなるのです。明るくなるということは光が集中していることです。夏は太陽からのエネルギーが強まるので、暑くなるのですね。

このように、太陽の高さによって光の強さが変わり、季節が生まれます。
さて、ではどうして太陽の高さは変わるのでしょうか? それを考えるためには、地球を外から見て考える必要があります。これはちょっと長くなってしまいますから、またの機会にお話することにしましょう。
私たちの生活は、普段ほとんど意識することはありませんが、実はとても宇宙や科学と密接な関係にあるのです。これから宇宙と地球をつなげる、身近な科学の世界をご案内していきます。楽しみにしていてくださいね。

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著者プロフィール

岩谷圭介(いわや・けいすけ)

民間初の日本国内における上空30kmの撮影に成功。その後も開発を進め日本一の打上げ回数・成功率・世界最高高度記録を樹立。世界最高水準の技術を確立する。国内様々なTV・新聞・雑誌に取り上げられCMや広告にも起用されている。 技術は独力により開発。始まりは大学4年の夏休み、海外のニュースサイトで見た1枚の写真だった。 個人レベルの資金と身の回りの素材を使って切り開いた宇宙開発『ふうせん宇宙撮影』を通じて宇宙を身近に感じてもらうこと、挑戦する気持ちを広げていくために活動している。著書に『宇宙を撮りたい、風船で。 世界一小さい僕の宇宙開発』がある。

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