キノノキ - kinonoki

キノノキ - kinonoki:ナビゲーション

科学で毎日を楽しくしませんか?

岩谷圭介(いわや・けいすけ)

科学で毎日を楽しくしませんか? ブック・カバー
バックナンバー  1...56789...20 

第7回 夏の自由研究 太陽の光でお肉を焼こう

2016.08.26 更新

夏ですね。夏休みです。夏休みと言えば、自由研究です。
前回は太陽のエネルギーのお話をしました。今回は、その太陽のエネルギーを実感してみようと思います。
題して、大人の自由研究です。「太陽の光でお肉は焼けるのか」というテーマで研究してみます。
日光を虫眼鏡で集めると、紙などを燃やすことができますね。ということは、大きな装置で光を集めれば肉も焼けるはずです。
しかし、これは理屈の話。本当はどうなのでしょう。答えは、やってみないとわからない。これぞ大人の、夏の自由研究です。

まずは、太陽光を集めるための装置を作りましょう。
使う材料はこちら。
07-1
素材は、たったの3点。発泡スチロール板(1820×910×20mm)に、コンロの汚れ受け(銀色のもの 100均で購入)、そしてA4に出力した型紙です。全部合わせても1000円程度とリーズナブル。
道具も簡単なものばかりです。カッター、ペン、セロテープ、両面テープ、アルミテープ、そして長めの定規です。パソコンは設計に使用しました。
これらを肉焼き器に組み上げていきましょう。

太陽光を集めて火力を得て肉を焼く仕組みにしたいと思います。数学で習った放物線は記憶にありますか。放物線には光を集める性質があります。今回はこの放物線を利用して光を集める、肉焼き器を作ります。

まず、エクセルを使って、図面を起こします。
07-2
こんな感じです。この図面を基に、実際に肉焼き器を作っていきます。

A4用紙の型紙をつなぎ合わせます。型紙なのでコピー用紙でも裏紙でも可です。
07-3
この放物線が大切なので、ズレがないよう慎重に繋げていきましょう。

次に発泡スチロールを切って、土台を作っていきます。
07-4

型紙を放物線に沿って正確にカットします。
07-5

カットした型紙の曲線を、土台となる発泡スチロールに転写していきます。
07-6

曲線に沿って全部カットしていきます。
07-7

カットした発泡スチロールを組み立てていくと、このように放物線の形をした土台が出来上がりました。
07-8

この土台の上に、銀色のシートを貼り付けていきます。これがおおよそ半分ほど貼った状態です。
07-9
余っている場所にはさらにシートを貼り込み、貼り付けが甘いところにはアルミテープを貼っていくと、反射装置が完成します。
07-10
これで肉焼き器の完成です。
しかし、虫眼鏡とは似ても似つきませんね。こんな頼りない物体で、本当に肉が焼けるのでしょうか。
実際にこの肉焼き器を使って、太陽光で肉を焼いてみます。晴れていなくてはいけませんので、辛抱強く待った数日後の8月11日、ついに晴れの日がやってきました。
07-11
いい感じです。早速実験開始です。
庭先に肉焼き器を配置します。そして、焼くために用意したのが、このフランクフルト。
07-12
見ての通り、まだ焼けていません。これを光の集まる場所に配置してみましょう。
07-13

素手で配置したところ、手にも集光した太陽光が当たってしまい、熱くて火傷してしまいそうでした。これではいけません。
そこで、実験用スタンドを持ってきて配置しました。これなら火傷せず安心です。
07-14
と、思いきや、スタンドの取っ手のゴム部分が太陽光で焼かれているではありませんか。すぐに取り外し、アルミホイルで保護します。アルミホイルは赤外線や遠赤外線をほぼすべて反射してしまうので、アルミを巻けば取っ手は守られるのです。
07-15
人の目で見る限りでは、フランクフルトが焼けているのか、よくわかりません。そこでサーモグラフィを使って確認してみることにしました。
その結果がこちらです。
07-16
白いところが高温部分、紫のところが低温部分です。フランクフルトが高温になっているのがはっきりとわかりますね。

さあ、実験結果です。
07-17
これが太陽光で焼いたフランクフルト。いい色に焼き上がりました。触ってみると熱々です。食べてみると、しっかりと中まで火が通っておいしく焼き上がっていましたよ。
07-18

太陽の光のエネルギーでフランクフルトが焼けるのです。やってみないとわからないものですね。
ちなみに、今回焼いたのはフランクフルトでしたが、フランクフルトの変わりに鉄板を配置すれば、目玉焼きやステーキだって焼くことができます。
もっとたくさんの太陽光を集めれば、鉄だって溶かすことができます。太陽の光は相当なエネルギーを持っているのですね。

バックナンバー  1...56789...20 

著者プロフィール

岩谷圭介(いわや・けいすけ)

民間初の日本国内における上空30kmの撮影に成功。その後も開発を進め日本一の打上げ回数・成功率・世界最高高度記録を樹立。世界最高水準の技術を確立する。国内様々なTV・新聞・雑誌に取り上げられCMや広告にも起用されている。 技術は独力により開発。始まりは大学4年の夏休み、海外のニュースサイトで見た1枚の写真だった。 個人レベルの資金と身の回りの素材を使って切り開いた宇宙開発『ふうせん宇宙撮影』を通じて宇宙を身近に感じてもらうこと、挑戦する気持ちを広げていくために活動している。著書に『宇宙を撮りたい、風船で。 世界一小さい僕の宇宙開発』がある。

ページトップへ