キノノキ - kinonoki

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2019年 06月

新・世にも小さな ものがたり工場 表紙

2019年06月28日

「怪人」(the world is wide)

新・世にも小さな ものがたり工場

ショートショート大賞優秀賞受賞者

 世間の一部の人たちはこの時間をスーパーヒーロー・タイムと呼ぶのだそうだ。日曜日の朝早く、子供向けの特撮番組が次から次に放送されて、子どもたちにとってはゴールデンアワーなんだとか。レスキューポリスとかマスクドライダーとか […]

新・世にも小さな ものがたり工場 表紙

2019年06月28日

「一目ぼれ」(梨子田歩未)

新・世にも小さな ものがたり工場

ショートショート大賞優秀賞受賞者

 赤い橋のたもとに艶っぽい女が立っていた。白地に紺の菖蒲の花が咲いた浴衣に、白いうなじが見える束ね髪。女は目から涙を流していた。  俺はその女にひとめぼれ、した。  家に帰っても興奮さめやらぬ様子の俺を見て、隣人がすかさ […]

新・世にも小さな ものがたり工場 表紙

2019年06月28日

「ユフスズミ」(滝沢朱音)

新・世にも小さな ものがたり工場

ショートショート大賞優秀賞受賞者

 四十年前の夏と変わらず、穴は今もまだそこにあった。  きしむ床板を踏みしめ、黒板の前へと進んだ私は、その穴にそっと手を差し入れた——   *  母のふるさとは過疎のまちで、幼い頃の私は、夏休みの大半をそこで過ごしていた […]

新・世にも小さな ものがたり工場 表紙

2019年06月28日

「精神論」(髙山幸大)

新・世にも小さな ものがたり工場

ショートショート大賞優秀賞受賞者

 「校長! この高校の野球部員はふざけていてけしからん! 練習中にもっと気持ちを見せてプレーをしろと指導すれば、人の目に見えないはずの気持ちをどうやったら見せることができるんですか? なんて聞いてくるし、二十四時間三百六 […]

新・世にも小さな ものがたり工場 表紙

2019年06月28日

「予定」(山岐信)

新・世にも小さな ものがたり工場

ショートショート大賞優秀賞受賞者

「まったく、騒ぐだけ騒いで、散らかして帰っちまうんだから」  白髪の男が、シミだらけの手にトングとビニール袋を持ち、雑木林のなかを歩いている。東の山の稜線からは太陽が顔を出し、西の三日月は、夜明けの淡い空の色に輪郭線を溶 […]

新・世にも小さな ものがたり工場 表紙

2019年06月28日

「星合」(霜月透子)

新・世にも小さな ものがたり工場

ショートショート大賞優秀賞受賞者

 見上げた夜空に天の川が流れている。今日は年に一度の、私に会う日だ。  蒸れた緑がにおい立つ。星月夜のあぜ道を歩いていると、横道から合流してきた人影に声をかけられた。 「おや。星合いに帰ってきたのかい? 珍しいねぇ。最近 […]

魔女たちは眠りを守る 表紙

2019年06月21日

第三話 雨のおとぎ話

小説

魔女たちは眠りを守る

村山早紀(むらやま・さき)

 ポテトが揚がる香ばしい香りの中で、空哉(そらや)は今日もカウンターに立ち、笑顔で、お客様を迎える。  平日のお昼時。古い下町にあるこのハンバーガーショップはそれなりに賑わいはするけれど、たとえばビジネス街にある店舗のよ […]

カレー沢薫のワクワクお悩み相談室 表紙

2019年06月21日

カレー沢先生、ルール違反の人間にイラついて仕方ない私はどうしたらいいでしょう?

エッセイ

カレー沢薫のワクワクお悩み相談室

カレー沢薫(かれーざわ・かおる)

ルールを守らない人に対するイライラが止まりません。列への横入り、提出物の期限を守らない、駅の階段での逆走、靴を履いたまま椅子の上で遊んでいる子供と、それを注意しない保護者などなどあげるとキリがないです。他人がルールを守っ […]

悪夢か現か幻か 表紙

2019年06月16日

第17回 客間の壺

小説

悪夢か現か幻か

堀真潮(ほりましお)

 私は客間が嫌いだ。  というより、客間の床の間にある壺が嫌いだ。  壺、と私は言っているが、茶道具の水指のような形の黒釉(こくゆう)の入れ物で、同じように黒く塗られた木の蓋がされている。  ただそれだけのものなのに、子 […]

カレー沢薫のワクワクお悩み相談室 表紙

2019年06月07日

カレー沢先生、正社員だけが正義な家族を論破する方法はあるのでしょうか?

エッセイ

カレー沢薫のワクワクお悩み相談室

カレー沢薫(かれーざわ・かおる)

私は週5日の会社勤めをしていますが、通勤だけで疲れてしまい、休日は身動きもできません。気分転換に在宅のライター業をしてみたところ、記事が採用されお金も少し入り、完全にいい気になりました。会社勤めを少し減らし、その分執筆業 […]

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